プリファブ・スプラウト Prefab Sprout (Part.5) プリファブのラジオ・セッション。

ついにニューアルバムが発売されたプリファブ・スプラウト。これから数々のプロモーション活動が行なわれるかと思いますが、重要なメデイア露出のひとつにラジオ・TVなどへの出演・演奏が挙げられると思います。今回は実際にライブ演奏が行なわれた過去のプリファブのラジオ出演に、スポットを当ててみたいと思います。

プリファブ・スプラウトのBBCセッション

イギリスのBBCで放送される音楽番組は、実際にバンドや歌手の生演奏が放送されることも多く、フアンにとってたいへん興味深いものです。とくにDJ、John Peelの番組、「John Peel Session」は、新人、若手など、大々的にツアーしないようなグループの出演も多いようです。その音源の一部はバンドの所属レコード会社からリリースされたり、あるいはBBCからライセンスを取得した Strange Fruits (主にJohn Peel Sessionのリリース)やWindsong(主にBBC Live in Concertのリリース)といったイギリスのレコード会社から発売されていました。

知る限りではありますが、プリファブ・スプラウトも85年に2回のBBCセッションを行なっています。

■  85.7.27 Saturday Live Session 

85年6月にアルバム「Steve MacQueen」を発売したプリファブ・スプラウトはワールド・ツアーと、アルバムからの複数のシングル・カットを計画します。2枚目のシングル・カット曲「Appetite」の発売に合わせ、BBCにてライブ演奏が収録され、番組「Saturday Live Session」 で放送されました。

放送された曲は

1.Appetite

2.Bonny

3.Faron Young

の3曲で、すべてアルバム「Steve MacQueen」収録曲となっています。

ここでのグループのラインアップはおそらく

ギター・ボーカル・パディ、バッキング・ボーカル・ウェンデイ、ギターがケヴィン・アームストロング、ベース、マーティン、ドラムにニール・コンティ、キーボードにマイケル・グレイブス

だと思われ、後述のセッションも同じラインアップだと思われます。この年のワールド・ツアーのメンバーです(日本公演はのぞく)。

さて演奏の方はこの時期すでにツアーかそのリハーサルが始まっていたのか、しっかり息の合った演奏を披露しています。普通のスタジオ・レコーデイングと同じように、演奏にあとからダビングが可能といわれるBBCセッションですが、聴くかぎりは楽器やコーラスをあとから付け加えた雰囲気は感じられません。

カウントから始まる「Appetite」では、実際のライブではコーラスは担当しないと思われるマーティンとおぼしき、男声コーラスが聴けます。逆にアルバム・ヴァージョンよりもウェンデイのパートが目立たないような気がします。

余談ですがこの曲のプロモーション・ビデオでは、始めにグループのラインアップのテロップが入ります。このテロップでピアノを弾いている黒人のキーボーディストがマイケル・グレイブスだと確認できます。

つづく「Bonny」では「Appetite」ではわかりづらかったギター2本での演奏がはっきりし、ウェンデイのコーラスも良くきこえます。この曲は89年のシングル「Golden Calf」の12インチとCDシングルで、プリファブにとって唯一リリースされたライブ音源が聴けますが、そちらよりも若干ゆっくりしたテンポに感じます。

最後の「Faron Young」はアルバム・バージョンや普段のライブでの演奏との違いが感じられるテイクです。まずギターほか全楽器で「ジャーン」と不協和音のコードを鳴らしてから、ドラムがフェイドインしていきます。混沌とした後半部分はライブではギターなどかなりラフですが、ここではコンパクトにあまり崩さず演奏されています。

■  85.8.28 John Peel Session 

前回のBBCセッションからほぼ一ヶ月後、2回目のセッションが行なわれます。

放送された曲は

1.Lions in My Own Garden (Exit Someone)

2.Rebel Land

3.Cars And Girls

の3曲で、今度は順番にデビュー曲、未発表(未リリース)曲、当時の未発表(のちに3rdアルバムに収録、シングル化)曲と、めずらしい演奏になっています。

「Lions in My Own Garden (Exit Someone)」はこの年のワールド・ツアーでも必ず演奏されていました。ここではハーモニカとイントロのキーボードのフレーズも入って、オリジナルよりも若干早いテンポで演奏されています。

次の「Rebel Land」は今も未発表の曲で、この時期ツアーで演奏されることもあったようです。シングルA面向きとはいえないかもしれませんが、アップテンポのキャッチーな曲で、このまま埋もれてしまったのは何か理由があったのでしょうか?古い曲の多い「Steve MacQueen」収録曲の印象とは異なり、ギターで作った曲ではないような感じもあり、出来立ての新曲だったのかもしれません。少しテンポをおとすと「Life of Surprises」に似ているような部分もあるような気がします。

「Cars And Girls」はのちのシングルにもなる曲ですが、この時期の新曲だったのか、ライブでも頻繁に演奏されていたようです。ここではアルバム・ヴァージョンよりも若干Aメロのリズムが違うので、少しのっぺりとして聞こえます。

以上の3曲ずつ2回のセッションが放送されたものですが、実際に録音されたものすべてかどうかがわかりません。過去のJohn Peel Sessionでは一回のセッションにつき、4曲録音され、放送やバンド側主導のリリース(バンドの編集盤など)では3曲のみ使用、4曲全部はStrange Fruitsからの12インチ(のちにCDシングルも発売)に収録されるという決まりがあるといった記事を読んだ記憶があります。もしもう1曲(計2曲)録音されているのなら、何が演奏されたのか知りたいところです。

番外編 88.7.4 アメリカKCRW

これはグループとしての演奏ではないのですが、パデイがアメリカのラジオ局に出演したとき、ピアノの弾き語りを披露しています。

3rdアルバム「ラングレー・パーク」のプロモーションで、サンタモニカのラジオ局KCRWの番組での出来事です。

まず最初にDJが、つい2週間前にビーチ・ボーイズのブライアン・ウイルソンが同じ番組に出演して、このピアノで歌ってくれた(おそらくサイアーからの1stデビュー・アルバムのプロモーションで出演したのでしょう)という話をすると、パディがビーチ・ボーイズの「Surf's Up」の出だしをちょこっと演奏して歌います。番組中でもブライアン・ウイルソンが好きだという話をしています。

このあと3rdアルバム「ラングレー・パーク」収録曲「Nightingales」を歌います。ストリングスのフレーズをピアノで再現しているのですが、なかなかいい感じです。

次に「Appetite」の導入部分だけ弾いて、3rdアルバム「ラングレー・パーク」収録曲「Hey Manhattan !」が始まります。途中から「Nancy」へのメドレーとなっています。

番組の最後に今度はアコースティック・ギターの弾き語りで、ジミー・ウエッブの名曲「Whichita Lineman」を歌います。パデイの声も曲にすごく合っていて、これからのシングルB面などで、ぜひカバーしてリリースしてほしいと思わせます。

■ おわりに

今年のニューアルバムの発売で、グループとしては無理かもしれませんが、パデイのみの出演でラジオ・セッションでの演奏が聴ける可能性が出てきたのではないかと思います。ぜひ日本でのセッションも期待したいところです。またいつかTV出演でのライブ演奏も、このPick Upで取り上げられたらと思っています。

記事作成 2001年 7月)

*この記事の作成にあたりまして、当時のグループの活動状況については、ジョン・バーチさん著「マイス・メロデイックス・メタフィジックス」の内容を、参考にさせていただきました。

 

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